当院のリハビリテーションのスタッフ
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理学療法士 13名
作業療法士 14名 -
言語聴覚士 7名
音楽療法士 1名 -
発達心理師 1名(非常勤)
ケアワーカー 1名
事務 2名
合計39名
当院は現在まで地域に根差した病院として、「障がいがあっても住み慣れた地域で継続した生活活動ができるよう」支援をさせていただいております。
- ・小児リハビリテーション
- ・精神科リハビリテーション
- ・地域リハビリテーション
また当院リハビリテーション部は小児リハビリテーション、精神科リハビリテーション、地域リハビリテーションに力を入れており、特に小児リハビリテーションでは、発達障がい児に対し理学・作業・言語療法の提供はもちろん保育園や小学校、中学校等との情報共有を目的とした支援会議、保護者支援としてのペアレントトレーニングの開催、子供さんのさまざまな経験値の向上を目的とした農業体験、さらに公認心理師が保護者の不安やストレスに対するカウンセリングを実施しています。
- ●学会発表
- ①2020年10月9~10日 第28回日本精神科救急学会学術総会において「外来リハに通院する発達障がい児の特性とGISを用いたCOVID-19リスク下における避難所収容可能人数に関する調査研究」のテーマで理学療法士の加賀野井聖二が発表しました。
- ●講義
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①R3年4月20日 姫路医療専門学校にて「地域領域における作業療法士の役割と現状」
というテーマで作業療法士の近藤剛行が講義をしました。
②R3年11月9日 土佐リハビリテーションカレッジにて「地域での作業療法士の関わり」というテーマで作業療法士の近藤剛行が講義をしました。
③令和3年11月17日 土佐リハビリテーションカレッジにて
「精神・心理領域の理学療法~精神疾患患者の身体的特徴とその対応~」
というテーマで理学療法士の加賀野井聖二が講義をしました。
- ●講演
- ①令和4年2月6日「令和3年度発達障がい早期支援エキスパート養成事業研修会」にて理学療法士の小松勝人、近藤友香がシンポジストとして発表致しました。
- ●研究
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①当院の理学療法士 加賀野井聖二の活動が高知新聞で紹介されました。(詳細はこちら)
②当院の理学療法士 加賀野井聖二が「外来リハに通院する発達障がい児の特性と
GISを用いたCOVID-19リスク下における避難所収容可能人数に関する調査研究」のテーマで2020年度公益信託高知新聞・高知放送「生命の基金」の助成を受けました。(詳細はこちら)
今回で2019年に続き2年連続の受賞となります。
- ●表彰
- 去年から導入しておりますが、各スタッフに優秀スタッフ1~2名を推薦してもらい得票が多いスタッフ上位3名が受賞する仕組みを取っています。まだまだ始めたばかりなので今後はより公平性が保てるよう評価基準を修正しながら進めていきたいと思います。(詳細はこちら)
当院では市町村からの依頼により、地域の皆様方のお役に立てるよう、さまざまな事業にセラピストを派遣しています。
最近では「発達障がい早期支援エキスパート派遣事業」として「運動発達検診」への関わりを持たせていただいております。
●安芸市親子療育教室
●親とともに支援を考える会(安芸市)
●いきいき香南っ子相談会
●南国市発達障がい早期支援エキスパート派遣事業
●東洋町発達障がい早期支援エキスパート派遣事業(R4.2より)
●香美市発達障がい早期支援エキスパート派遣事業(R4.4より)
●日高村発達障がい児支援事業
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・「心理・精神領域の理学療法 はじめの一歩」医歯薬出版株式会社 2013年4月20日発行
第4章 精神領域の理学療法の実際 4章 症例編 1.統合失調症,p124-130 -
・「実学としての理学療法外観」文光堂2015年11月19日発行
Ⅲ.疾患別の理学療法の基本と実際,精神疾患の理学療法,p290-307 -
・解剖学・生理学・運動学に基づく動作分析 医歯薬出版株式会社 2018年1月25日発刊
コラム⑤ “精神疾患患者の理学療法”への挑戦 p380 -
・「精神医学」羊土社 (2022年8月刊行予定)
第13章 ライフサイクルと精神医学
発達障がいを持つお子さんへの
リハビリテーション
~当院における小児
リハビリテーションつの方針〜
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リハビリで獲得された能力を学校などの
社会生活に反映さすリハビリで獲得された能力が社会生活につながらなければ意味がありません。
そのため当院ではリハ開始1~2ヵ月以内に保育所等に訪問し、現状把握するとともに支援会議において支援のポイントを明確にし、社会生活に反映するよう努めています。
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子供さんへの対応だけでなく、
保護者を含めたアプローチ実施する保護者支援としてペアレントトレーニングの実施や療育場面での不安や様々な心配事がある場合には臨床心理師によるカウンセリングを実施しています。
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子どもの経験値を増やし、
社会生活(就労など)につなげるさまざまな体験企画を運営しています。特に農業体験事業(ナスの収穫体験)の実施に力を入れています。その他今後の企画として炭焼き体験事業、ピザ焼き体験、クロワッサン作り体験などを考えています。今後はこのような体験が就労に繋がってくれればと思い実践しています。
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二次障害予防へ取組む
現在、概ね小学校卒業と同時にリハビリを終了する方が多いのが現状です。
当院ではリハビリ継続の必要性が認められ、二次障害併発の可能性がある子供さんで主治医の確認が取れた場合については医療との関係が途切れないように相談窓口として対応しています。
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災害対策支援に取り組む
当院に通院する子供たちの50%は安芸市在住の方々です。そのため南海トラフ地震の影響を考慮し、 災害対策に関する意識調査や避難所での対応の仕方、子供本人へのトレーニングなど災害対策支援に取り組んでいます。
~特徴〜
- ●保育園、小学校へ訪問し、学習現場における子供さんの弱みの発見と対応
- ●より良い発達を促進するための治療プログラムの実践
- ●子供さんに関わる保護者、主治医、担任の先生、保健師、リハスタッフなどと連携した支援会議の開催
- ●保護者に対する生活上の相談
- ●支援者(担任の先生等)へのアドバイス
- ●「つながるノート」の積極的利用
- ●親子教室へのセラピスト派遣(地域で実施されている発達障がいを持つ親と子供の教室)
精神疾患患者さんへの
リハビリテーション
身体疾患を合併した精神疾患患者さんへの対応
さまざまな骨折後や変形性膝関節症などの運動器疾患、脳卒中などの脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患が併存している患者さんに対して個人の状態に応じたリハビリテーションを実施しています。
精神症状のコントロールを目的とした運動療法
(Basic Body Awareness Therapy)の実施
自分の身体に注意を向け、気づきを促進し、動きの滑らかさ(質)を向上さすことにより精神機能のコントロールにつなげるための運動療法を実施しています。2011年より東京国際大学医療健康学部教授 山本大誠先生のご指導のもと日本で初めて当院で臨床導入されました。
地域リハビリテーションとは、障害のある子供や成人・高齢者とその家族が、住み慣れたところで、一生安全に、その人らしくいきいきとした生活ができるよう、保健 ・医療・福祉・介護及び地域住民を含め生活にかかわるあらゆる人々や機関・組織がリハビリテーションの立場から協力し合って行なう活動のすべてをいいます。
●日常生活が病前に近い、あるいは同じような生活ができるように自宅に出向いて日常生活行為の練習を行うとともに、住宅の改修(手すりやスロープの設置など)に関するアドバイスなどを行っています。
●また継続して生活が送れるよう、多職種(ケアマネージャーなど)と連携し生活を支援しています。
各部所紹介
- 理学療法室の紹介
- 当院理学療法室は平成9年5月に開設され、現在、理学療法士常勤8名体制にて活動しております。主な業務内容は脳血管疾患・運動器疾患・呼吸器疾患、機能障害を伴った精神疾患患者さんに対して運動療法や物理療法(ホットパックなどの温熱治療)により、機能改善ならびに日常生活活動の改善を目的に対応しています。また、H24年度から受け入れ開始している小児に対しては、特に不器用や極端に運動が苦手な発達性協調運動障害(DCD)に対して理学療法を実践しています。さらに必要に応じて退院時指導や退院前訪問指導、外来小児支援会議への出席、病棟カンファレンスへの参加なども積極的に行っています。
- 身障作業法室の紹介
- 病気や事故のために心身に障害を負った方々に対し、いろいろな作業活動を用いて、今後の生活(身辺動作・家事・仕事等)に適応できるように訓練、福祉機器・自助具等の紹介を行いつつ、自宅で生活を送りやすいように住宅改修や、家族の方々にも指導・援助を行います。また、発達の課題のある方には、生活の中で周りの環境調整や課題を解決する力を伸ばしていくように学習や活動の経験を積んでもらうように指導・援助を行います。
- ST室紹介
- 言語聴覚士は、話すこと、聞くこと、食べることに障害がある人に対して、障害の改善や発達を促すことを目的に言語訓練や検査、助言、指導等を行ないます。生活環境面を含め、これら全ての面に働きかけることにより、機能回復、障害を受けた方の生活の質の向上と社会参加を目指します。
当院では外来や入院されている成人の方に対して言語訓練や構音訓練、摂食・嚥下訓練を実施しています。また、発達障害をもつ子どもに対してもリハビリテーションを実施しております。対象となる疾患は、言語発達遅滞(何らかの理由で同年齢の子どもに比べて、言語の理解や表現が遅れている等の状態)や自閉スペクトラム症(言葉の遅れがある・こだわりが強い・他人とうまくコミュニケーションをとれないという3つの特徴がみられ、それらにより日常生活に支障が生じるほどのつまずきがある状態)、注意欠陥多動症(注意力が散漫で、落ち着きがなく、思慮のない行動をとることがあるなどセルフコントロール:自己抑制がうまくできない状態)などがあります。それらの障害をもつ子どもさんに対して検査を実施し本人の得意・不得意を捉えて、それぞれの子に合った支援方法の提案や、ご両親への言語発達に関する指導、遊びを取り入れた言語訓練等を行い、ことばの発達を促します。
また、(保護者の同意のもと)保育園や幼稚園、小学校の先生への情報提供を積極的に行い、環境調整の助言や支援方法の提案を行っています。
- 音楽療法室の紹介
- 音楽療法は、精神科各病棟や介護老人保健施設リゾートヒルやわらぎ、グループホームげいせいなどでの集団や、個別で実施しています。
また、法人外で実施することもあります。
音楽療法の効果としては、回想促進、口腔・嚥下機能の維持、身体機能維持、BPSD軽減、妄想・不安の軽減、ストレス発散、感情・表情の表出、他者との交流(一例)などがあり、そのために音楽を意図的・計画的に使用しています。
「音楽の時間がとっても楽しみ!」などの声も大変多く、笑顔あふれる毎日を送っています!!
- 研修会
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●スタッフ研修会
毎年4月にスタッフ教育の一環として実施しています。この研修では社会人、医療人としての資質向上やリハビリテーション部のビジョンについて理解を深めます。
●合同研修会
毎年1回、他職種合同で研修会を開催しています。他職種の活動を知ることで効率的な情報共有の方法や内容について相互に理解を深めます。
- 部内勉強会
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●部内で精神・小児・地域・認知神経リハビリテーションの各種勉強会グループによる勉強会を毎月実施しています。
●高知県内外部講師を招いた研修会(年6回程度実施)
●東部地区小児リハビリテーション勉強会の実施
東部地区(南国市から東方面)で小児リハビリテーションを実施している病院が集まり、事例検討や評価方法の確認、講師を招いた研修会などを実施しています。
- 研究活動
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当部では統合失調症や発達障がい児に関する臨床研究を実施しています。共通して実践しているのは“自己感”の評価および治療方法の開発です。
自己感とは自分が操作している感覚(ゲームでジョイスティックでキャラクターを操作すると自分が操作している感覚がある)や自分が行為を行って引き起こした感覚(押しボタン信号を押して信号が青になるなど)です。これら自分がやっている感覚が低下することが知られています。これらの感覚が低下すると記憶に残らなかったり、動作がうまくできないなどが考えられます。そのため当院では自己感の評価及び治療法の開発に取り組んでいます。
●精神科領域の研究
現在、精神疾患患者に対する運動療法の研究に力を入れています。多剤大量処方による副作用の問題が叫ばれる中、効果的な運動療法の開発に向けて臨床研究に取り組んでいます。
●発達障がい児に関する臨床研究
現在、身体運動に関する研究や災害対策に関する研究を実施しています。身体運動の研究では二次障がいの予防を目的に“自我”に関わる“自己感”の研究や運動に関する領域を中心に実施しています。また災害対策に関する研究では金沢医科大学と共同で実施しています。
・当院では院内外の勉強会、研修会を積極的に実施しています。
・院内では小児、精神科、地域の各領域に分かれ1~2ヵ月に1度の勉強会、さらに県外講師を招き、各領域に応じたテーマ設定でも実施しています。
・院外では東部地区の勉強会や他病院とのWebカンファレンスなどを行っています。
・また現在まで修士の学位を7名が取得しており、研究活動も併せて実践しています。